門マニア #1

近所の空き家が以前から気になっていた
休日 カメラを持って家を出る私
何が気になっていたかというと管理されていない空き家
庭に鬱蒼と生い茂る雑草、劣化してひび割れ始めているコンクリの壁
そして何よりも美しさを感じたのがこの門である
なにせ自然に身を任せ人の手で色付けしたわけでもないのに
何なんだこのコントラストは
これが新しかった頃
私は一体どこで何をやっていたのだろう
いや、生まれていなかったかもしれない いや きっとそうに違いない
新築だった頃ここでは家族が幸せだった
笑ったり喧嘩をしたり そして子は自立し親は歳を取っていった
1つの家族が終わりを告げた時があったのだろう
今ある地球上の家族は皆 いずれは同じ道をたどるのである
それを受け継いでもらえるか手放すか
そして手放した後も放置されるかしっかり管理して使われるのか
誰も住んでいないからこそ出る味がある
それは廃墟に魅せられる人々に似てはいるが規模は小さく
ある家族の物語をノスタルジックに想像できることに楽しみを見いだせる小規模な世界だろう。

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